部下に考えを正しく伝える方法

部下に考えを正しく伝える方法

先日まで、雪が降ってワクワクする反面、ノーマルタイヤの自分の車に戦々恐々とする日々を送っていました。

そんな中、古典にチャレンジしてみようと、少しずつですが、アラン先生の『幸福論』を読み進めていってます。先週は仕事が忙しく、本を開く余裕が全くありませんでした。そこからの読書再開。めっちゃ嬉しいですね。しかもアラン先生の『幸福論』、とても刺激を受けます。

今日はご紹介したい一節があります。「想像上の苦痛」に書かれていた内容なのですが、そこではアラン先生は次のようなことをおっしゃっていました。

事実というものには、それがどんなに悪いことであろうとも、益となる一点がある。

事実は新しいパースペクティブでとらえた新しい将来を示してくれる。

具体例として病気について書いてくれています。

例えば、我々は大病を患ったことを想像した場合、酷く落ち込んだり、絶望したりした将来を想像しがちですが、それらは本物ではありません。やはり想像なのです。実際には、今まで気づけなかった小さなことに気づき、幸せを感じることがあるそうです。人間とは賢い生き物だとも書いてありました。

やはり経験をしないうちは、将来について本当の見通しを立てることは難しいのでしょう。これは上司と部下の関係でも同じではないでしょうか。

以前、他部門とのスケジュール調整を部下に任せていたことがありました。部下が一人で臨んだ調整会議後に、決定事項を確認してみると、他部門の都合でスケジュールが大幅に変更されていて「このままではマズい!納期に間に合わない!」と直感しました。急いで次の会議の日程調整をし、プロジェクトの目的やリソースの配分など諸々説明し、事なきを得ましたが、終始部下は不機嫌でした(笑)

想像になるのですが、部下としては、自分が頑張って他部門と調整したのにひっくり返されたと感じたのかもしれません。事実、私がやったのはその通りなので仕方ありませんが。他部門との再調整の前に部下にしっかり説明すれば良かったと後悔しています。もちろん説明はしましたが、足りなかったのだと思います。

では、何が一体足りなかったのでしょうか?

アラン先生のおっしゃるには、将来の見通しというものは事実に基づかなければならないので、「このままではマズい!」という将来像(失敗像)を伝えるよりも、私自身が過去に経験したこと(事実)をしっかりと伝えるべきでした。私の事実に基づいて判断した見通しでは、再調整が必要だったのでした。当時はきっと部下からすると「なぜ失敗すると言い切れるのか」納得がいかなかったと思います。本当に申し訳ない。

とは言え、私の経験を聞いたからといって、部下も同じ見通しを持ってくれるかというと、必ずしもそうではありません。ただ、その違いは部下のオリジナリティであり、彼のアイデンティティとなる可能性もあるので、育んでいかなければなりませんね。

的確な将来像を伝えるよりも、事実から伝える

これを大切にしたいですね!

ここまで読んで頂きありがとうございます。

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