自分を成長させてくれる仕事とは?
今回もアランの『幸福論』です。その中から「アリストテレス」の一節を紹介します。
何事をやるにしても、本当の進歩をあかしするのは、人がそこでどんな楽しみを感ずることができるかである。そこからわかるのは、仕事は唯一のよろこび、それだけで満たされたよろこびであることだ。わたしが言っているのは、自分で自由にやる仕事のことで、それはつまり、能力を示すわざであると同時に、能力が出てくる源でもある。くりかえすことになるが、人にやってもらうのではない、自分でやるのことだ。
この一文が気になったので引用してみましたが、どことなく以前に書い記事にも似ている気がします。ま、それだけ大切ってことですね。
仕事で成長しようと思った時、「壁を乗り越えろ」だとか「努力の先に・・・」みたいな成功の秘訣的な話もありますが、苦しみを乗り越えるよりも『喜べるようになる』『楽しめるようになる』ことであるかの方が大切なんですね。
では、どうしたら『喜べるようになる』『楽しめるようになる』のか?
それは、自分で考えてやると決めた仕事に取り組むということですね。
他人から見るとなんだか大変そうだけど、本人はケロっとしてバリバリ働いてる人っているじゃないですか。もちろん、みなさんにもそんな瞬間を感じた経験があると思うんですが。そういう仕事って自分で考えてやると決めたものだと思うんですよね。
自分で考えてやると決めた仕事であれば、苦しい場面に遭遇しても楽しみながら乗り越えられるし、乗り越えた先の喜びも人一倍大きいと思うんです。
そういう自分が波に乗っている時の努力や乗り越えた経験が能力の源泉になって、新しい自分の技に変わっていくんです。
私の場合だと『チームマネジメント』に関して貴重な体験がありました。
以前の私は、チームを引っ張っていくために、ガンガン突き進んでいくタイプでした。しかし、あるとき気づいたんです。一人で空回りしてるって・・・。
私とメンバーの足並みが揃ってなかったんですね。私一人で頑張ってる感じで。結局、チームとしての成果も上がらず、どうしたら良いものか悩みました。
チームのリーダーを外してもらうという選択肢もあったのですが、「まだやれることがある」と感じた私は、色んな本を読み漁ってチームマネジメントの在り方を考え続けました。
そんな時に出会ったのが、ライフネット生命の創設者である出口治明さんの著書『部下を持ったら必ず読む 「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない』でした。
目からウロコでしたね。自分では「どうやったら優れたプレイング・マネージャーになれるのか?」と自問自答してきたのに、「なってはいけない」と表紙に書いてあるんですから。
チームマネジメントの在り方を180度変えました。これまではガンガン引っ張っていって部下を従わせるような指導方法をとっていたのですが、仕事の方向性だけを決めて、後は任せるようにしました。
初めは本当に心配だし、不安だし、ヤキモキするし、気持ちの上で大変でした。ですが、次第に部下にも変化が現れ始めました。積極性が見られ始めたんです。「こっちのやり方の方がいいんじゃない?」初めはほんの些細な変化でしたが、「あれ?いつもと違うような・・・」そんな風に感じていました。
チームマネジメントの在り方を『任せる』という方法に変えたのは大正解でした。最終的には、私が業務に忙殺されて部下の仕事を見れない時期があったのですが、何も言わずに自分たちで考え、仕事を進めてくれていました。むしろ、私が介入するよりも出来の良い仕事でした。
それ以来、チームは引っ張るのではなく部下の能力を信じて任せてみる、という考え方に完全に変わりました。この考え方はチームマネジメントだけではなく、人と接する上でも自分の軸となっています。相手の能力を全力で信じる。
この記事を読んでくださってる方の全部がチームマネジメントに興味があるとは思いませんが、自分の興味の持てる仕事、やってみたい仕事、やると決めた仕事であれば、自ずと努力もするし、色んなことを調べるし、上手くいくように工夫もするし、その結果として苦労が報われて、自分を成長させることができるんだと思います。
目の前にある仕事すべてを頑張る必要はありません。まずは「自分はこれをやるんだ」と決めることから始めてみてください。必ずその先に自分を変える体験が待ってますから。この記事を読んでくださってる方の未来を全力で信じています。
今日もここまで読んで頂きありがとうございます。