「悩みが多くて困った!」そんな時は・・・

「悩みが多くて困った!」そんな時は・・・

今回もアランの『幸福論』です。まだまだ続きます。今日は「汝自らを知れ」の一節を紹介します。

ソクラテスの時代には、デルフォイにアポロンの信託を受けている巫女のような人がいて、どんなことがらについても信託を売っていたのである。〜中略〜 神殿の正面にその奥義を書き記してくれた。ことがらが自分に有利なのか不利なのか訊こうと、そこに運命の伺いを立てにきた者は、神殿の中に入る前に、あの深淵な信託を読むのであった。それは誰にでも益のあるものだった。「汝自らを知れ」。

最初にこれを読んだ時、「汝自らを知れ」の部分で爆笑してしまいました。

人は悩みがあると何かに頼りたくなるんですよね。人に聞いてみたり、占ってみたり、本の中に答えを探してみたり。自分の外側にある世界の中に答えを求めるんです。誰しも経験はあると思います。

その答え探しは自分が納得するまで続きます。そして、よくある結果として、自分の欲しい答えがあるところに行き着くんです。他人や占いや本が真実を言ってくれていたとしても、本人にはそれが真実かどうか分かりません。なぜなら、自分が納得するものしか受け付けないから。

しかし、実は悩みごとの答えってすでに自分の中にあるものなんです。古代ギリシャ人たちも現代の我々同様に『困った時の神頼み』をしていました。困りに困って、悩みに悩んで、ようやく辿り着いたアポロンの神殿には「汝自らを知れ」が掲げられてるんです。なんだか面白くないですか。

信託を受け取りに来た古代ギリシャ人もきっと納得いかなければふてくされて帰っていたのでしょう。2000年以上経っても人は変わらないってことなんですかね。

信託を聞く前にまずは自分のことをよく知る。自分の悩みについてよく考える。それが大事なんだと思います。

では、どうやったら自分についてよく考えることができるのか?

人の悩みには多くの場合、「〜がしんどい」「〜に困っている」「〜どうしたらいいか分からない」といった言葉がついてきます。これを180度反対に振った時、その言葉に心が動くかどうかが大切なんです。

例えば、「〜なりたい」「と仲良くなりたい」「〜を達成したい」のように、いわゆるポジティブな言葉に置き換えた時、本当にその結果が欲しいかをもう一度考えてみるんです。

心が「そうである」となるものだけを相談すると思った方向に進み始めるかもしれませんよ。心が動かなかったものについてはノートの端にでも書き留めて置きましょう。時期が来れば必要になりますから。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

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